古い家や店の並ぶある村で、貧しい靴屋の孫息子ジャック・ドビーが、隣に住む足の不自由な女の子ポリー・アンに柔らかい履き心地のすてきな靴をプレゼントしようと思い、祖父のニコラス・ドビーにねだったところ、彼はなけなしの金でわずかばかりの赤い革を買い、ポリー・アンが気に入り歩きたくなる靴を作った。
残った革切れに月光あたるさまを見て、ある夜ニコラスじいさんは気まぐれに、しかし夢中になって人形用の小さく可愛い靴を作り上げ売り物としたのだが、再び月の光を受けて窓辺で輝くそれを欲しがり履くことになったのは、なんと妖精だった。
真っ赤なすばらしい靴のお礼に妖精たちが置いていった金貨と幸運とによって、ニコラスじいさんとジャック、それから靴のおかげで不思議と健康を取り戻したポリー・アンとは、しあわせに暮らすことができるようになったのだった。
“だれかのために”というのが、いいのでしょうね。
短く、質素なお話でしたが、読後はあたたかくなれました。
アリスン=アトリー・文
こみねゆら・絵
松野正子・訳
(原題:The Cobbler's Shop)
薦めたい学年:3年生~4年生半ば
物語・全53ページ
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