読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



しろいまゆげのトラ

ある深い山奥に棲み、一千年を生きた白い眉のトラは、まゆ毛から出る不思議な光の力で、善い心と悪い心の人間を見分けることができ、悪い心の者に出くわすたび、彼らを飲みこんでしまうのだった。
何年も経って、山を通る者が減ったため、その理由を探ろうとトラが老人に化けふもとの町を訪ねると、そこではトラにまつわるデタラメが広まり、心のきれいな人間は一人として見当たらなかった。
そんな中、ただ一人トラの正体に気が付き、彼を追って山中まで来た少女は、美しい心を持っていたので、トラは彼女の願う“人助け”のため、自身のまゆ毛を一本抜いて与えた。本当に助けるべき相手を見分けられるように。

正直に言えば、展開に急なところが見受けられ、要約の難しい作品でした。読み聞かせの対象となるような小学校低学年のこどもたちでも、それに気づき、首をかしげることもあるかもしれませんが、作文の授業に応用することができましたので、今回は取り上げることにした次第です。

あらすじを一緒に考え記したあと「この話は、読んだ人たちに心がきれいかどうか聞いて終わった。そこで、ぼくは自分の心がきれいかきたないか、考えてみた。」と続けます。
それから、こどもたち各々が思うまま、結論とそう思う理由とを書いてもらって終了です。
まだ男の子たちとの授業サンプルしかありませんが「ぼくの心はきたないと思う。」という意見しか見ていないのは、彼らが正直者だからでしょう。

イ=ジンスク・文
ペク=テスン・絵
星あキラ/キム=ヨンジョン・共訳

薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:10分以内


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