ある深い山奥に棲み、一千年を生きた白い眉のトラは、まゆ毛から出る不思議な光の力で、善い心と悪い心の人間を見分けることができ、悪い心の者に出くわすたび、彼らを飲みこんでしまうのだった。
何年も経って、山を通る者が減ったため、その理由を探ろうとトラが老人に化けふもとの町を訪ねると、そこではトラにまつわるデタラメが広まり、心のきれいな人間は一人として見当たらなかった。
そんな中、ただ一人トラの正体に気が付き、彼を追って山中まで来た少女は、美しい心を持っていたので、トラは彼女の願う“人助け”のため、自身のまゆ毛を一本抜いて与えた。本当に助けるべき相手を見分けられるように。
正直に言えば、展開に急なところが見受けられ、要約の難しい作品でした。読み聞かせの対象となるような小学校低学年のこどもたちでも、それに気づき、首をかしげることもあるかもしれませんが、作文の授業に応用することができましたので、今回は取り上げることにした次第です。
あらすじを一緒に考え記したあと「この話は、読んだ人たちに心がきれいかどうか聞いて終わった。そこで、ぼくは自分の心がきれいかきたないか、考えてみた。」と続けます。
それから、こどもたち各々が思うまま、結論とそう思う理由とを書いてもらって終了です。
まだ男の子たちとの授業サンプルしかありませんが「ぼくの心はきたないと思う。」という意見しか見ていないのは、彼らが正直者だからでしょう。
イ=ジンスク・文
ペク=テスン・絵
星あキラ/キム=ヨンジョン・共訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:10分以内
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