森でサンショウウオを見つけた少年は、小さなそれを自室に持ち帰り世話することにした。
どこで寝かせるのか、エサはどうするのか、寂しがるのではないか… やさしく問いかける母に対して、サンショウウオのためになるよう想像力いっぱいに考えていくと、彼の部屋は次第次第に、それが元いた素晴らしい森に変わっていった。
そして少年自身も、森の中で眠ることを選ぶのだった。
読み終わりに、こどもたちの一部は「最初の森にもどったね」と気がつきます。すばらしいことです。
自然は自然の中で生きるのが自然であり、そこから逸脱してしまった私たち人間や、我々と生活を共にしてきた犬猫や馬、家畜を除いたほぼすべての生き物が、私たちが「大自然」と呼ぶようになってしまったような“あたりまえ”の環境を本来は必要とします。
一部を除いて、人間はもう森の生活に戻れないでしょうし、戻ろうとも思わないでしょうが、ある意味で確実に生物の頂点に立ってしまった私たちは、全体のために、もう少し知恵を出さなければいけませんね。
アン=メイザー・文
スティーブ=ジョンソン・絵
ルー=ファンチャー・絵
にしかわ かんと・訳
(原題:The Salamander Room)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:4分半
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