歯みがきをさぼる小汚いこどもたちの口内に忍び込み、チクチクつついて痛ませることを仕事にしているばいきんおにと、その息子あたろーは、ある夜、狙いをつけた女の子の口へと飛び込んだが、その日が初仕事だったあたろーは、失敗して吐き出され、女の子にその存在を知られてしまう。
その子といくつかの言葉を交わしたあたろーは、彼女をすっかり気に入ってしまったため、再度の挑戦も失敗に終わるのだが、一方で、痛い思いをさせることなしに、きちんと歯みがきする約束を取り付けることには成功する。
女の子と遊ぶ申し合わせまでしてきたあたろーは、それを父に怒られると心配していたが、自分と違う方法で人間に働きかけ始めた息子を見て、父はむしろ誇らしく思っていたのだった。
村上しいこ・文
大島妙子・絵
薦めたい学年:2年生~3年生初
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