どんな花も大好きなハナコちゃんは、周囲が花で溢れることを願って思いついた「はたらくモグラ」を絵に描き留めたのだが、風に飛ばされたそれは、ながれながれて、ある孤島の秘密研究所、その所長机の上へと舞いおりた。
その絵を本国から送られてきた次なる研究の図案だと思い込んだ所長が、工場を挙げて草木の世話をするモグラロボットを完成させたのにもかかわらず、本国からの正式な依頼品開発を怠ったとみなされた工場の者たちはクビを言い渡され、島には500体のロボットモグラが残ったため、ほどなくして島は花でいっぱいになったという。
種をまいた覚えのないところに花が咲いたり、枯れかかっていた草花が急に元気を取り戻したりすることがあったら、それは彼らロボットモグラのはたらきのお蔭なのかもしれない。
星新一・文
和田誠・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 4
読み聞かせにかかった時間:8分半
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