むかしむかし、山の奥の奥のある村から海までは、道も険しく迷うため、誰も行かなくなって久しかった。
ある日、誕生日を迎えた男の子たろは、ごちそうとしてたけのこを採ってくるよう母から頼まれ、作業にかかったが、不意に猛烈な勢いで伸びはじめたたけのこによって、天空高く連れられてしまう。
彼を助けたい村人たちによって、その巨大なたけのこが切られると、それはいくつもの林と山々とを押し分けるようにして倒れ、てっぺんにいたたろを海のそばへと下ろしたのだが、それを機に村人たちは海への道を得ることができ、以来、海の幸にも与りながら、皆長生きで幸せに暮らせるようになったのだった。
読者の皆様は、たけのこが急激な成長をするという事実をご存知でしょうか。お日様が出ると1日で120㎝前後伸びてしまうようで、雨の降った後は特に成長いちじるしいということです。そのため、土から少し顔を出しているだけの朝早いうちに収穫しなければ、食用にはできないのですね。
加えて、山の民の海へのあこがれなどについても、ぜひ想像し、情報としてお子様方に語っていただきたいと思います。
そういった諸々までこどもたちにお話しいただけることを前提として、今回はLevel 2に設定いたしました。
松野正子・作
瀬川康男・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:7分
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