“仲良しのリスの子に迷いながらも大切にしていたお気に入りの貝殻をプレゼントしたキツネの子”という内容の絵本『かいがらのおくりもの』を、買ってもらったその日から、一日に一度は手に取り声に出して読むほど大事にしてきた、熊のクマタ。
ある時から三日三晩降りつづいた雨のために、離れた村で被害が出ていることを知ったこどもたちは、援助のために現地へ向かう大人たちに、それぞれ文具や絵本、マンガなどを手渡し、できる限りの協力をしようとするのだが、クマタは大切な絵本を手放すかどうかで揺れる。
それでも、お話のキツネの子のように自分の“一番”を譲ることを自分自身で決め、結果としてそれが見知らぬ誰かの宝物になったことは、それを失った心のすき間を埋めあわせて余るほどの喜びをクマタに教えてくれたのであった。
森山京・文
鴨下潤・絵
薦めたい学年:1年生後半~2年生
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見・ご感想、お待ちしております。