読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



一さつのおくりもの

“仲良しのリスの子に迷いながらも大切にしていたお気に入りの貝殻をプレゼントしたキツネの子”という内容の絵本『かいがらのおくりもの』を、買ってもらったその日から、一日に一度は手に取り声に出して読むほど大事にしてきた、熊のクマタ。
ある時から三日三晩降りつづいた雨のために、離れた村で被害が出ていることを知ったこどもたちは、援助のために現地へ向かう大人たちに、それぞれ文具や絵本、マンガなどを手渡し、できる限りの協力をしようとするのだが、クマタは大切な絵本を手放すかどうかで揺れる。
それでも、お話のキツネの子のように自分の“一番”を譲ることを自分自身で決め、結果としてそれが見知らぬ誰かの宝物になったことは、それを失った心のすき間を埋めあわせて余るほどの喜びをクマタに教えてくれたのであった。

森山京・文
鴨下潤・絵

薦めたい学年:1年生後半~2年生


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