まだまだ人間が登場するずっとずっと前のこと、激しい山のやかましさだけで他の音の感じられない中を、一頭のイグアノドンが生きていた。
ところがある日、彼は目の前に翔んできた小さな翼竜プテロダクチルスの発する「だくちる だくちる だくちるる」という声を聞く。
はじめて聞いた山以外の音、はじめてできた友だちの声、はじめての唄は、彼にとって嬉しくてたまらないものだった。
はじめての物事に相対したとき、こどもたちの好奇心は、一気に、無心に、それへと注がれますね。
常識のコレクションを持ち合わせてしまった私たち大人にとって、どんなに「単純」で「ありふれたもの」であっても、こどもたちは何度も何度も繰り返し、その世界を楽しむことができます。それがこどもの本能なのでしょう。(そうあってほしいです。)
「興奮」という一言では言い表せないようなその感動を、一冊の絵本でダイナミックに表現しようとしたのが本作なのかもしれません。
V=べレストフ・原案
阪田寛夫・文
長 新太・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 0~1
読み聞かせにかかった時間:3分以内
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