心臓部が壊れ、手の施しようのなくなったため、廃棄場へと送られてしまった1体のロボット。
動けず空を眺めるだけの彼だったが、真冬のある日、飛ぶことをあきらめた渡り鳥を自分の胸の中で休ませたことで懐かしい温もりを感じ、鳥が歌うのに合わせて踊ったことで心のはずんだロボットは、南の国までその鳥を送り届けることを決意する。
自らの体が傷ついても、最後の力をふりしぼるように歩き続けた彼は、目指していた太陽輝く南の土地にたどり着くと同時に力尽きたが、その大きな体に開いていた胸の穴では、それから毎年、鳥たちがヒナをかえし、歌をうたって暮らすようになったのだった。
デイヴィッド=ルーカス・作
なかがわちひろ・訳
(原題:The Robot and the Bluebird)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
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