飼い犬の冬毛が生え変わる頃、少女の家の前の沼には、渡りを終えたたくさんのグースたちが舞いおりたが、その中に一羽だけ、傷つき片足を失ったものがいた。
野生ゆえ、たとえ弱くても自力で生きることを覚えなければならないそのグースを前に、なかなか手出しできないもどかしさを感じていた少女も、それが群れから離れ少しずつ歩く練習をしたり、泳げるようになったりするのを見ながら、再び飛び立つ日が来るのを楽しみにするようになった。
秋になり、突然訪れた別れのあと、少女はまたいつものように日々を過ごしたが、春と共に沼へとかえってきたグースの中に、夫婦でいる片足グースを見つけ、そのヒナたちを目にしたことで、改めてグースから強さを学んだのであった。
キャリ=ベスト・文
ホリー=ミード・画
まえざわあきえ・訳
(原題:Goose's Story)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
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