お父さんが泊りがけで商売に出かけていたある夜、パオアルのお母さんが狂った。
それをキツネの仕業であるとにらんだ彼は、一人で知恵をしぼり用意周到、キツネ退治を決行する。
澄んだ瞳で物事を眺め、ときに大人よりも聡明なこどもの姿というものを、中国の古典『聊斎志異』から題材を得て描こうとした画家・蔡皋氏の手による、勇敢な男の子のお話。
普段守られる立場にある者が、大切なもののために悪い者を懲らしめるストーリーですが、皆がこういうお話に慣れてしまったからでしょうか、それとも、そもそも「懲らしめる」という内容が時代に合わないからでしょうか、「さるかに合戦」のような知恵ある者の“作戦勝ち”を味わえる本作も、近年刊行される絵本の中では珍しい存在のように思います。
(→Amazon.co.jpのレヴューも大変参考になるので、ご覧いただくとよいかもしれません)
蒲松齢・原作
心怡・再話 蔡皋・絵
中 由美子・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
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