読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



あるきだした小さな木

人間の男の子と出会い、その家族のあたたかさを見たちびっこの木は、ある夜とうとう大地にはる根を抜き出し、男の子の家へと歩き出した。
森の動物や鳥たちのように、たくさんのものを見て歩くことのできるようになったちびっこの木は、さまざまな経験をしながら、幾多の困難を乗り越えながら、枝々に花をつけ、両親の木よりも背を伸ばし、渡り鳥たちが自らにとまって休むことを、人間たちが彼の木陰で休憩することを、喜びに変えるようになっていった。
そのことに自ら気がついたとき、ちびっこの木は大きなおとなの木になっていたのである。

テルマ=ボルクマン・作  シルビー=セリグ・絵
花輪 莞爾・訳

薦めたい学年:2年生


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