同じような毎日を過ごす中で、あるネコが予感しはじめた何か。
なんとなく……だったものが「今夜だ」という確信に変わり、その夜ネコが家を抜け出すと、向かった先には、どこから来たのか大勢のネコが集まっていたのだが、しばらく待って見上げた夜空に現れたのは、下弦の三日月(※)ではなく、猫にとって息をのむほど美しく映る、立派なかぎ爪なのであった。
時が来れば訪れるであろう“ネコヅメの夜”を待って、ネコたちはまた、毎日をのんびりと暮らすのである。
ネコ好きで有名な作者が、引き取りを申し出て飼っている保護猫・白木さんをモデルに描いたとされ、他所でのレヴューを見ても高い評価を得ている、2016年5月出版の新しい作品です。
かたちを変える月の風情を我々が愉しむように、ネコたちはそれがかぎ爪のかたちを成す時に興奮を覚えているのかもしれない……といった内容をすこしミステリアスに、しかしあっさりと描いた絵本ですので、読む人によって好き嫌いの分かれるところだろうというのが本音です。
人気の本作ですが、購入を検討される方は、一度どこかで目を通されるのが良いかもしれません。
町田尚子・作
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分
※あらすじ紹介の中では、「三日月」と書きましたが、「有明の月」と呼ぶべきものかもしれません。
詳しくご存知の方があれば、コメントなどからお知らせいただければ幸いです。
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