読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



こぎだせ!ぼくらのカワセミ号

初夏のある日、父の経営するマリンスポーツショップの倉庫で、古びた木製のカヤック(カヌーの一種)を見つけた誠と、親友の勇一は、自分たちだけのカヤックが欲しくて、それを修理したいと申し出たのだが、その艇は、じつは誠の父と勇一の父、そして“伝説のカヤック乗り”三郎が若い頃に手造りした想い出のものだった。
ちょうどその日に、誠たちのいる4年1組へ転校してきたみくは、若くして亡くなった三郎の娘であり、彼女もまた大きな大会で活躍するスラローム選手だったが、素晴らしい実力を持ちながら、川の中でも学校でも、少しも偉ぶるところのないみくを認めざるを得ない一方で、負けん気の強い勇一は、カヤック修理に夢中になりつつ、梅雨時期のもどかしさも越えて、練習に打ち込むようになった。
みくが修理に加わり、次第に彼女と打ち解けるようになった勇一は、蘇った木製カヤック・カワセミ号の進水式で、以前沈められた岩場の激流に再度挑み、みくのアドバイスも受けて、それ乗り越えたのだった。

※スラロームカヤックは激流をのりこなす競技で、ごまかしのきかない正確な技術と水をよむ判断力、激流に飛び込んでいく勇気がいる。決められたゲートを通過しながらタイムを競う。
(参考に:2011カヌースラロームジャパンカップ最終戦―YouTubeより)


ライバルを持つって、大事ですね。
それも、誰にも指示されず、自分の中で「なにくそ!」と思える相手こそ本物でしょう。
「なにくそ!」なんて、言葉こそ悪いのですが、「自分だって成長してみせる!」という気持ちがあれば、悪いものは育ちません。この物語でみられる友情のように。

横山充男・文
古味正康・絵

薦めたい学年:4年生~5年生
物語・全126ページ






0 件のコメント:

コメントを投稿

ご意見・ご感想、お待ちしております。