読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



旅猫リポート

野良猫の名残りのカギしっぽが、上から見ると7だから ……と安直に名前をつけられた拾われ猫のナナは、五年を飼い主サトルと暮らして今、引き取り手を探す彼と一緒に、友人・知人のもとを巡っていたのだが、当のナナには、サトルと離れる気などまったくなかった。
行く先々での話から、彼の生き方と想いに触れ、最後までサトルのそばにいると誓ったナナと、そばにいてほしいと最後になってナナに願ったサトルは、終わりのはじまりを迎える前の、旅の終わりをふたりで楽しんだ。サトルは病気だった。
サトルが日に日に痩せ衰えていくあいだ、“一番サトルを愛している猫”を自負するナナは、彼に拾われた自身の幸せを喜び、またいつか約束の場所で会うことのできるサトルの安寧を願って、その命の尽きるのを見送ったのである。

猫のナナを語り部として、お話が進んでいきます。
読みやすいですが、内容的に、こどもたちに与えるのなら6年生以上~中学生向けでしょうか。
それ以下では、感情の機微を読み取れず、よくある感動ストーリーとして読み終えてしまう気がします。

有川浩・文
村上勉・絵

薦めたい学年:6年生〜中学生以上
物語・左から全271ページ/352ページ/111ページ(児童向け単行本)


単行本
文庫版
単行本(児童向け)

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