「わたし、てつぼうはにがて。でも、リボンはすてきにむすべるわ。」
「ぼく、むしにさされるのがだいきらい。でも、ちゅうしゃはがまんできる。」
…といった具合に、自分のできる/できない、みんなのできる/自分のできるなどが、見開きごと印象的なイラストとともに展開されていく。
自他の比較や、自身を肯定的に捉え直していくことがテーマとなっているように思う。
新しい環境に入って少し経ち、“みんなの中の自分”を感じ始める頃に手に取ってみるといい作品かもしれません。「ぼくね、~」「わたしね、~」と、自らのことをたくさん話してくれる年齢の子たちと、読みながら、あるいは読後、同じようなテーマで話し合ってみてください。
毎回「でも」で前後がつながれているのもこの本の特徴ですが、ネガティブに向かって考えが進んでしまうときに使われがちな「でも」も、今回のようにポジティブへ反転させる役割でなら、こどもたちにもどんどん使えるようになってもらいたいですね。
教室では、少しだけひねりを加え「ぼくは○○が苦手。でも、みんなは△△が苦手。」「○○が得意な人は多い。でも、ぼくみたいに◇◇ができる人は少ない。」などと作文するところまでをセットにしています。自己を客観視する姿勢をより育むことができるとの考えからです。
高畠那生・作
薦めたい学年:読み聞かせ Level 0~1
読み聞かせにかかった時間:5分以内
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