読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ぼく・わたし

「わたし、てつぼうはにがて。でも、リボンはすてきにむすべるわ。」
「ぼく、むしにさされるのがだいきらい。でも、ちゅうしゃはがまんできる。」
…といった具合に、自分のできる/できない、みんなのできる/自分のできるなどが、見開きごと印象的なイラストとともに展開されていく。
自他の比較や、自身を肯定的に捉え直していくことがテーマとなっているように思う。

新しい環境に入って少し経ち、“みんなの中の自分”を感じ始める頃に手に取ってみるといい作品かもしれません。「ぼくね、~」「わたしね、~」と、自らのことをたくさん話してくれる年齢の子たちと、読みながら、あるいは読後、同じようなテーマで話し合ってみてください。
毎回「でも」で前後がつながれているのもこの本の特徴ですが、ネガティブに向かって考えが進んでしまうときに使われがちな「でも」も、今回のようにポジティブへ反転させる役割でなら、こどもたちにもどんどん使えるようになってもらいたいですね。
教室では、少しだけひねりを加え「ぼくは○○が苦手。でも、みんなは△△が苦手。」「○○が得意な人は多い。でも、ぼくみたいに◇◇ができる人は少ない。」などと作文するところまでをセットにしています。自己を客観視する姿勢をより育むことができるとの考えからです。

高畠那生・作

薦めたい学年:読み聞かせ Level 0~1
読み聞かせにかかった時間:5分以内


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