ある鹿は、他の者よりも首が長い、ただそれだけで、群れの中でも仲間はずれ、他でも受け入れられず、ある時から孤独と向き合うようになった。
一方、群れをつくる鹿たちは多くのこどもたちにも恵まれ、しばらくの繁栄を迎えていたが、ある年まったく雨が降らずに大地が乾いてしまうと、次第に疲弊し、群れの存続さえ危うくなったため、雨雲に訴えかけるべく“くびなが”に依頼することを決め、彼もそれに応じた。
つらく悲しかったくびながの身の上話が黒雲の耳に届くと、あふれた涙の雨は大地を潤し、再びその地で湖と草原を甦らせたので、鹿たちの命もつながり、彼らの謝罪を受け入れたくびながもまた、仲間を得て新たな生活が始められたのだった。
ジャムシード=セパーヒ・文
アズユタ=アーザルギン・絵
武田なつえ・訳
(英題:The Long Neckd Deer)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:15分以内
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