読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ひとりぼっちのしか

ある鹿は、他の者よりも首が長い、ただそれだけで、群れの中でも仲間はずれ、他でも受け入れられず、ある時から孤独と向き合うようになった。
一方、群れをつくる鹿たちは多くのこどもたちにも恵まれ、しばらくの繁栄を迎えていたが、ある年まったく雨が降らずに大地が乾いてしまうと、次第に疲弊し、群れの存続さえ危うくなったため、雨雲に訴えかけるべく“くびなが”に依頼することを決め、彼もそれに応じた。
つらく悲しかったくびながの身の上話が黒雲の耳に届くと、あふれた涙の雨は大地を潤し、再びその地で湖と草原を甦らせたので、鹿たちの命もつながり、彼らの謝罪を受け入れたくびながもまた、仲間を得て新たな生活が始められたのだった。

ジャムシード=セパーヒ・文
アズユタ=アーザルギン・絵
武田なつえ・訳
(英題:The Long Neckd Deer)

薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:15分以内


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