読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ちいさなおおきなき

ある時、大地のど真ん中、一匹のありが見つけた、ありよりも小さな芽は、自身を試すかのように、大空に挑むかのように、「どうだ、どうだ」と千年万年背をのばし、やがて大きな大きな木となった。
あらゆる動物がすみ、人が現れて町ができ、次第に発展していった一方で、人が現れたことによって争いが起き、荒廃の時を迎えると、そこから皆が逃げ出すのを待って、木は倒れ果てる。
しばらく経ったある時、もとは大きな木であった横倒れの木のその上では、苔の生えたところに出てきた小さな芽を目の前に、どんな木になるものかと、ありが考えているのだった。

新しい芽は、大地ではなく、朽ちた木から顔を出します。
それを見て、ありは木の成長の行く末を考えているわけですが、その青黒い表情になかなか見出せない胸のうちには、期待があるのでしょうか、それとも不安でしょうか。
こどもたちの自由な回答に、こちらは期待だけしていたいところです。

夢枕獏・文
山村浩二・絵

薦めたい学年:読み聞かせ Level 4
読み聞かせにかかった時間:5分


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