ある時、大地のど真ん中、一匹のありが見つけた、ありよりも小さな芽は、自身を試すかのように、大空に挑むかのように、「どうだ、どうだ」と千年万年背をのばし、やがて大きな大きな木となった。
あらゆる動物がすみ、人が現れて町ができ、次第に発展していった一方で、人が現れたことによって争いが起き、荒廃の時を迎えると、そこから皆が逃げ出すのを待って、木は倒れ果てる。
しばらく経ったある時、もとは大きな木であった横倒れの木のその上では、苔の生えたところに出てきた小さな芽を目の前に、どんな木になるものかと、ありが考えているのだった。
新しい芽は、大地ではなく、朽ちた木から顔を出します。
それを見て、ありは木の成長の行く末を考えているわけですが、その青黒い表情になかなか見出せない胸のうちには、期待があるのでしょうか、それとも不安でしょうか。
こどもたちの自由な回答に、こちらは期待だけしていたいところです。
夢枕獏・文
山村浩二・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 4
読み聞かせにかかった時間:5分
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