ある日、母から頼まれたお遣いへと出かけたアンナは、車いすでの初めての一人行動であったため、周囲から投げかけられる視線や言葉、悪気のない優しさによる圧迫感、そして孤独感に堪えきれず、泣き出してしまう。
すると、その様子を見守っていた太めのいじめられっ子ジギーが、はっきりと“皆とは違うこと”を受け入れるようアンナに諭し、アンナもそれを受け入れたので、それからの彼女は、皆と違うためにできないこと、皆と違う自分だから言えることを、周囲へ肩肘張らずに伝えられるようになる。
それまで抱えていた「できるもん」という気持ちから解放されたアンナは、自身の新しい道を、新しい友だちとともに、車いすで爆走しはじめたのだった。
こういった話を読み聞かせる際、私たち大人にも、先日の『だれか、ふつうを教えてくれ!』に書かれていた内容が有用となるでしょう。
障がいを抱えて生活されている方々の本当に多様な心持ち・感じ方を考えようとする姿勢があれば、ブックトークが充実します。
3年生も半ばを過ぎて“周囲から見られている自分”というものを理解しはじめた頃から6年生まで、あるいはバリアフリーなどについて考える機会を得た中学生以上のこどもたち皆にお薦めしたい絵本です。
フランツ=ヨーゼフ=ファイニク・文
フェレーナ=バルハウス・絵
ささきたづこ・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 3
読み聞かせにかかった時間:15分以内
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