読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



わたしの足は車いす

ある日、母から頼まれたお遣いへと出かけたアンナは、車いすでの初めての一人行動であったため、周囲から投げかけられる視線や言葉、悪気のない優しさによる圧迫感、そして孤独感に堪えきれず、泣き出してしまう。
すると、その様子を見守っていた太めのいじめられっ子ジギーが、はっきりと“皆とは違うこと”を受け入れるようアンナに諭し、アンナもそれを受け入れたので、それからの彼女は、皆と違うためにできないこと、皆と違う自分だから言えることを、周囲へ肩肘張らずに伝えられるようになる。
それまで抱えていた「できるもん」という気持ちから解放されたアンナは、自身の新しい道を、新しい友だちとともに、車いすで爆走しはじめたのだった。

こういった話を読み聞かせる際、私たち大人にも、先日の『だれか、ふつうを教えてくれ!』に書かれていた内容が有用となるでしょう。
障がいを抱えて生活されている方々の本当に多様な心持ち・感じ方を考えようとする姿勢があれば、ブックトークが充実します。
3年生も半ばを過ぎて“周囲から見られている自分”というものを理解しはじめた頃から6年生まで、あるいはバリアフリーなどについて考える機会を得た中学生以上のこどもたち皆にお薦めしたい絵本です。

フランツ=ヨーゼフ=ファイニク・文
フェレーナ=バルハウス・絵
ささきたづこ・訳

薦めたい学年:読み聞かせ Level 3
読み聞かせにかかった時間:15分以内


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