ひろくんは、考えてみる。
目が見えないこと、耳が聞こえないこと、家族を失うということ… それぞれ「どんなかんじかなあ」と。
そして「~ない」を試してみて、裏側を肯定的に捉え、また考える。
ひろくんの考えごとは、おわらない。
ひろくん自身が、じつは自分の足で動くことのできない子であるということが分かるのがお話の終盤。
それを知ると、私たちも、ひろくんが考えごとをする理由をそのこと自体に見出してしまいそうになりますが、そうではありません。
当室でも、「耳だけに頼って得た情報」を文章にまとめる、あるいは「感触を楽しみ」作文してもらう機会を設けたり、具体と抽象の理解が深まったところで、ものごとの裏側へ意識を向けることを訓練したりしますが、「考える」にも引き出しがたくさんあって、そのそれぞれを鍛えることが、どんな人であれ、豊かに健やかに生きたいのなら、必要なのだと思います。
中山千夏・文
和田誠・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 3
読み聞かせにかかった時間:4分半
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