一人娘の姫があくびばかりしているため、周囲もあくびをうつされ何となく無気力… そんな毎日を心配して過ごしていた王様は、あくびが止むよう彼女に最高の食事、極上の睡眠と娯楽を用意し、その噂を耳にした腕自慢の医師や呪術師までこぞって訪れたのだが、何をしようと、姫のあくびは止まらなかった。
すると、あるとき召使いの少年が近づいてくるなり池に落ち、そこから姫を驚かせたり笑わせたり、次々と魅了していったので、彼女の顔にも微笑みがひろがり、二人は仲良くなる。
それまで与えてこられなかったものを知り、させてもらえなかったことをして、“友だち”と好奇心の向くまま過ごすようになった姫からは、あくびをする様子もすっかりなくなったのだった。
カルメン=ヒル・文
エレナ=オドリオゾーラ・絵
宇野和美・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分半
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