じゃんけんが大好きで、そのため何をするにもじゃんけんで結果を出してからでないと動かない女の子は、「(生活の中で)とにかくしなければならないこと」にまで自分のルールを適用させて好き勝手にしていたため、両親に愛想を尽かされていた。
すると、あるとき、女の子のところへ大きな一匹のネコがやってきて、「すべてはじゃんけんで決まる」という問答無用のルールの下、家や両親の所有権をかけた勝負をけしかけてきた。
納得のいかないなか負け続け、じゃんけんの結果を絶対とし受け入れなければならない「無慈悲」に沈んだ女の子は、ただもう泣くばかりだったが、泣いて泣いて泣きやんだときにそれが夢であったと気付けてからは、じゃんけんにとらわれず、誰かにじゃんけんを強要もせず、素直にそれを楽しめる子になっていたのだった。
松岡享子・文
大社玲子・絵
薦めたい学年:1年生終わり~2年生
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