一人きり、長きにわたって教会の外装修繕を生業としてきた老人アンジェロは、新しく作業を始めたばかりの教会で、傷つき飛ぶ力を失っている一羽のハトを見つけ、それを世話するようになるが、すっかり元気になったハトは、彼が愛着を持ちはじめたころには、どこかへ飛び立ってしまう。
幾月か経ち、ふとアンジェロの仕事ぶりに遅れがあるように感じたハトは、次第に彼のそばを離れようとしなくなり、一方でアンジェロも、2年以上の月日をかけた作業の終わりを、その小さな存在が支えてくれたことを喜んだが、彼の想うところはそれだけでなかった。
自らの命の終わりを予感していたアンジェロはその後、愛するハトのために最期の仕事をし、永遠の安らぎを教会に遺して、おそらく幸せのうちに亡くなったのである。
この本の絵は、とてもかわいいのです。 そして、絵に「あそび」があることが、とても愛らしいのです。 「あそび」は、ユニークな描写ということのみにとどまらず、素敵な絵それだけで完結しない良さというか、絵と絵の間の文字にもなっていないような場面や時間さえ想像させてくれるような力のあること、そして余白や枠を効果的に使っていることなど様々な点で感じられました。
デイビッド=マコーレイ・作 (原題:Angelo)
千葉茂樹・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 3
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