ぼくだっていつかは死ぬ。
そう分かってはいても、実際に死んだオスグマを森で見かけてしまってから、子グマは死に恐怖するようになり、何のために生まれてきたのか自問を続ける時間のなかで、「石」になることを思いつく。
話すことも歌うことも動くことも、おなかが空くことも眠くなることも何かを思うこともしない石、誰かに会いたくなったり、涙を流したりすることもできない石になろうと努力したことで、彼は“死んだように生きる”ことの無意味に気付き、「クマのあたりまえ」を楽しめるようになったのであった。
以上の表題作を含む、視野を広げてくれるような不思議な美しさをもつ全7話の短篇集。
魚住直子・文
植田真・絵
薦めたい学年:6年生~中学生
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