読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ありがとうをわすれると

ずーっとずーっと南の海にうかぶ小さな島に暮らしていた若いネズミは、島にすむ動物たちにどれだけ優しくしてもらおうが、楽しませてもらおうが「ありがとう」一つなく、とにかく自分第一、恩を仇で返すような素行ばかりが目立っていた。
すると、海で溺れそうになったのを助けてくれたタコの怒りを買い、コウモリの裏切りにもあって、再び海に落ちたときには、タコに取り囲まれ、海の底へと引きずり込まれていってしまうのだった。
一方、そのさまをしっかりと眺めていた人間によって、その地域ではそれ以後、タコ釣りの道具としてネズミを模したものが用意されるようになり、漁師たちは効果抜群のその道具に「ありがとう」を欠かさなくなったのだとか。

ネズミ、死にます。
教訓があって、なんだか昔話みたいだと思っていたら、トンガ王国の魚釣りの道具に関する伝承を基にしているのだと、後書きにありました。
今回は一人読み(1年生末~2年生)としてのご紹介ですが、読み聞かせ用とすることも可能です。10分ほどで読めるものです。

山下明生・文
ナメ川コーイチ・絵

薦めたい学年:1年生末~2年生


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