ずーっとずーっと南の海にうかぶ小さな島に暮らしていた若いネズミは、島にすむ動物たちにどれだけ優しくしてもらおうが、楽しませてもらおうが「ありがとう」一つなく、とにかく自分第一、恩を仇で返すような素行ばかりが目立っていた。
すると、海で溺れそうになったのを助けてくれたタコの怒りを買い、コウモリの裏切りにもあって、再び海に落ちたときには、タコに取り囲まれ、海の底へと引きずり込まれていってしまうのだった。
一方、そのさまをしっかりと眺めていた人間によって、その地域ではそれ以後、タコ釣りの道具としてネズミを模したものが用意されるようになり、漁師たちは効果抜群のその道具に「ありがとう」を欠かさなくなったのだとか。
ネズミ、死にます。
教訓があって、なんだか昔話みたいだと思っていたら、トンガ王国の魚釣りの道具に関する伝承を基にしているのだと、後書きにありました。
今回は一人読み(1年生末~2年生)としてのご紹介ですが、読み聞かせ用とすることも可能です。10分ほどで読めるものです。
山下明生・文
ナメ川コーイチ・絵
薦めたい学年:1年生末~2年生
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