おばあちゃんが亡くなったとき おじいちゃんは耳がよく聞こえないことで 皆とあんまりお話ししなくなっていたけれど 棺に入ってきれいな寝姿をみせるおばあちゃんに おおおきな声で「いいとこ行けよ」って言ったんだ
あれから3年半と少しが過ぎて 昨日3月11日 おじいちゃんが「いいとこ」に向かった
第一次大戦中の大正5年に生まれて 同い年には こどもたち大好き『チャーリーとチョコレート工場』の作者ロアルド・ダールや フランス大統領ミッテラン クロード・シャノン ハーバード・サイモンなんかがいる みんな一足も二足も先に亡くなってる
茨城県・霞ケ浦のすぐそばで育って 1929年ドイツの巨大飛行船ツェッペリン号が地球一周の途中で立ち寄った際には 13才でその迫力を目の当たりにしたのかな
23歳から29歳という 私がふーらふらしていた同じ時期を出征の中で過ごし 生きて還ってからは 村役場でせっせと働く毎日だったらしい 寡黙な努力家だった
もっといろいろ話したかったな
享年97 生ききったでしょう
こんなことを誰にというでもなく書くなんてヘンなものだけれど 空を見上げてみたら雲一つなかったから 晴れた気持ちで書いてみたくなったんだ
絵を買いに行った池袋・西武屋上にひろがっていた空も その前に立ち寄った十番の空も 授業のために帰ってきた地元の空も 母のいるところの空も 弟の上も どこも澄みきってる
さて 自分の生に もう少し真剣にならないと
今こそ出発点だと 一人ずつしかいなかった祖父母に約束するの。
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見・ご感想、お待ちしております。