大きな崖の斜面にのびたかえでの木の、そのまたてっぺんに付いていた一枚の大きな葉。
美しく金色に輝く今まさに、風に乗って飛び立つことを夢みるも、それは波乱万丈そして飛花落葉を地でいく、生命の物語の始まりであった。
以前の美しさを失うことに哀しみを覚えてから、長くつづく凍える季節を雪の下、想い出に浸ったり、明日に希望を抱く若い命を眺めたりしながら過ごすうち、幹をもたない一枚の葉にすぎなかった存在は芯をもち、変化を受け入れ軽くなり、やがて火の中に永遠を見て消えた。幸せなままで。
一枚の葉のつぶやいた命そのもの。
デイジー=ムラースコヴァー・文
出久根 育・絵
関沢明子・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
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