岩波少年文庫のこのゲーテ作品を、始めこそこども用の編訳物として読み進めていた私も、ほどなくしてやはり高校生以上が読むべきものと考えを改めた。(内容に関してはリンク参照)
多くの児童書に当たっていて時々感じることなのだが、誰に向かって書かれたのか、出版されているのか、分からない本や作品が存在する。それらを相応しい学年のこどもたちに提示し、系統立てて紹介したく、私は当ブログを立ち上げたわけでもあるが、世間では「名作を読ませたい、読ませるべきだ」というような一方的な“上からの教育”がまかり通っており、それが作品の推奨年齢を下げて(決定して)いるのだと思われる。しかし学問、学びとは、本来そのようなものではない。
教室で私は、読書も学習も同じく、“積み上げる”ものを目指している。当ブログでも「薦めたい学年」として案内をしてはいるが、これは下の学年のものから、順序だてて読書が積み上げられた場合の目安でしかない。さらに、それらはすべて私個人の判断に基づくものである。
読書に慣れていないこどもたちには、2~3学年下の表示をしているものから読書を習慣付けていくことをお薦めしたいのだ。ご理解ある保護者様方にあっては、どうぞ我が子が本当に読書できているか、時折ご確認いただきたい。読書も学習も、本来「遅すぎる」ということはないのだ。
『きつねのライネケ』
ゲーテ・作
薦めたい学年:高校生~大人
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