読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



もっとおおきなたいほうを

先祖代々受け継いできた大砲を打ってみたくて仕方なかった王様のもとに、あるとき領内の川で勝手に魚捕りをするキツネがいるとの知らせが舞い込んでくると、彼は早速、脅しとばかりにキツネ目がけて大砲をぶっ放し、大満足した。
ところが、より大きな大砲を携えてキツネが戻ってきたことで競争がはじまり、いつの間にか数、取り回しやすさの他、形や色合いまでもが競われ、ついに王様はキツネを上回ることができなかったのだが、キツネの用意した大砲は、実はすべて木の葉だったのであった。
それを知った王様は、化かされ無駄に造り続けた大砲の数々を虚しく思うと、それらを真っ二つにして風呂に変え、二度と打ってみたいとは思わなくなったのだという。

「もっと~な○○」という言い回しで短い作文をしてもらう導入として、小学1年生に利用することもできます。
ところで、武器って、持っていたら、この王様のように使いたい気持ちが膨らんでしまうもののようですね。相手の持ち物を上回ろうとするのも、世界が繰り返してきたことです。この人間性が我々自身に与えてきた恩恵と害悪とは、二律背反。
人間が目を覚まし、世界が武器を捨てて、皆でバスタイムを共有できれば、平和なのでしょうね。

二見正直・作

薦めたい学年:読み聞かせ Level 0
読み聞かせにかかった時間:5分強


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