学校へ向かう途中にある大きな川を、教科書を濡らすことができないという理由で、いつもワニのモンティーの背中に乗り、渡らせてもらっていたアーサー(かえる)とドリス(あひる)とトム(うさぎ)。
しかし、行き帰りとも利用するのに文句ばかりの三人を乗せるのはこりごりとばかりに、ある朝からモンティーが時季外れの夏休みを訴え、どこかへと姿を消してしまったので、残された彼らは、あれやこれやと川を渡る方法を考えてみるのだが、どれもうまくいかない。
川の中、からだも教科書も水浸しになって、ようやくモンティーがしてくれていたことの大変さを理解したところで三人はモンティの背中に持ち上げられ、無事対岸へと辿りつくことができたのだった。
少し前に紹介した『ありがとうをわすれると』と同じく、感謝の気持ちがテーマとなっている作品でしょう。今回は特に、いつも当たり前に“何か”をしてくれている“誰か”に対する感謝です。
読み聞かせのあとで「わたしのために家族が当たり前にしてくれていること」を考えてみるのもいいですね。当塾では、1年生(1学期)のこどもたちと、メモをまとめて作文に仕上げています。作文の題材として利用できるのでお薦めを「Level 1」としましたが、読み聞かせるだけならば未就学児でも問題なく楽しむことができる絵本です。
全体を通して、セリフの書かれた吹き出しを多く読み進めていく点が、作文塾としてはもどかしいですが、内容が良いのでお薦めに加えています。
ジェイムズ=スティーブンソン・作
麻生九美・訳
(原題:Monty)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見・ご感想、お待ちしております。