集中が持続せず、勉強に身が入らないまさるの目の前で、彼の意志とは無関係に動き、励まし、時に追い立て、やる気を出させてくれた1本の鉛筆。
そのおかげで机に向かう時間が増え、学習態度が180度変わったまさるは、あるとき自分が頑張れば頑張るほどその鉛筆が短くなっていくことに気が付き、勉強をやめることも考えたのだが、勉強したがる鉛筆の願いを聞き入れ、それが役割を終える最後の瞬間まで、学び続けた。
そして、それ以降、同じような不思議な鉛筆に出会うことはなくても、彼はどの鉛筆も愛着を持って短くなるまで使い、よく勉強したのだった。
物語の最後、宿題をしている最中に考えごとをしてしまったまさるのノートには、いつの間にか計算問題の答えが書かれていました。冒頭部分とまったく同じような展開で。
これは、新しい不思議な出会いを意味するのでしょうか。それとも、少しの考えごとをしながらでも、簡単な問題なら解くことのできる計算力が彼に備わったからでしょうか。
教室では、物語性、つまり、終わりのためにわざと逆転した冒頭部・設定が用意されていることを意識してもらったうえで、その結末について話し合うようにしています。
山岡ひかる・作
薦めたい学年:1年生~2年生初
物語・全32ページ
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