お母さんから教わった通り、とんからとんから、必要な分だけ雲をとって糸を紡いでは必要なだけ織物をしていた少年のすてきなマフラー、それにふと目ざとく目を留めた王様は、彼に自分のマフラーやマントだけでなく、家族の分まであれこれ命令し、どっさり作らせた。
そのため、しぶしぶ請け負った少年が急いでそれらをこしらえると、空には一片の雲も残らず、やがてその地に深刻な水不足をもたらしたのだが、傍若無人な王をよそに一人それを憂慮していた姫が、雲からつくられたすべての衣類を少年に返し、少年もそれらを雲として空へかえしたので、大地はまた雨の恵みを受けることができるようになった。
そして、人々や生きものたち、お姫様と少年のこころにも、虹がおりたのだった。
マイケル=キャッチプール・文
アリソン=ジェイ・絵
亀井よし子・訳
(原題:Cloth from the Clouds)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:10分以内
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