星にさわってみたいという小さな願いの奥で、それらをすべて自分のものとしてしまいたいと考えていた泥棒が、ある夜、満天の星空にはしごをかけ、本当に空から星がなくなるまで、一つ残らず手に取り大事に隠してしまったので、空を見上げた人々は困り果てる。
そして、欲をかいた泥棒が必ず月を盗みに現れると考え待ち伏せし、彼を取り押さえることはできたものの、取り返した星が何をしても空に張りつかないことで再びふさいでいると、ある少年の手から星が空へと舞い戻っていったのだが、その子は星にさわりたいと願っただけなのであった。
願いごとは空の星にするもの……その通り、願いごとの聞き役として星がもといた場所に戻っていくのだと分かると、人々は一人ひとつ、星に願いをこめたので、星はすべて元通り、皆も安心して家路についたのだった。
星がうつくしく夜空に映る冬も、もう終わり。
日本中が春をこころまちにして、うきうき、そわそわ、そんな時期ですね。
でも、その前にもう一度でも星を見上げてみるのもいいかもしれません。
アンドレア=ディノルト・文
アーノルド=ローベル・絵
やぎたよしこ・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:15分以内
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見・ご感想、お待ちしております。