夜明けとともに川の一日がはじまると、周囲は次第ににぎやかになり、釣りを楽しみにくる親子もあった。
少年の釣り餌に食いつき釣りあげられたヤマメのピンクは、喜ぶ少年の手の中から逃げだすと再び水中にもぐったが、それも束の間、カワセミに捕らえられ、一飲みにされてしまう。
言葉を失った少年の目の前を、カワセミの一部となって、ピンクは飛んだのである。
作者あとがきから一部を紹介します。
「ここに登場するピンクも、また、ある一匹のヤマメです。自然の中で生きるひとつの命としての、ありようです。たくさんの命が、たくさんの命に受けつがれていきます。命はめぐり、どんどんつながっていきます。それが、動きつづけているすこやかな自然の、今、なのだと思います。」
一匹のヤマメに焦点を合わせ、自然の営みを描く物語。今回の作品以前のシリーズもあり、ヤマメのピンクが春に生まれるところから始まります。これからの季節にぴったりですので、あわせて以下に挙げさせていただきます。
村上康成・作
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分以内
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