読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



まあちゃんのながいかみ

髪の長いことを自慢に思い、より伸ばそうと、また意気投合……そんなお友だち二人の会話を聞いていた、短いおかっぱあたまのまぁちゃんは、彼女たちよりはるかに長く伸ばすことを宣言し立ち上がる。
魚釣りに使え、自らを包むこともお母さんのお手伝いをするための道具にすることもできるほか、洗ってもパーマをかけてみても愉快に過ごせる、素敵なまぁちゃんの長い髪。
想像に付き合い、お友だちもうっとりうらやましく思えたところで、三人はまた手をつなぎ、その場をあとにしたのだった。

まぁちゃんの空想は、入口から出口まで、本当に無邪気で楽しいものですが、それを聞いていて、一緒にイメージし楽しむことのできたお友だち二人も立派ではないでしょうか。
「そんなの無理だよ」「できるわけないじゃん」「何それ、ありえないでしょ」 これらは、こどもたちの口からもよく出てくる台詞ですが、若者や大人と変わらない現実的なものですね。
『ピーターパン』は、年齢を理由に長女ウェンディが翌日からの一人部屋生活を言い渡されるところから始まりますが、“まだ大人になりたくない”というこどもの意識が大人によって掴まえられ、“大人になること”を理解させられる世の中は、今も昔も変わらないどころか、だんだんその対象が低年齢化してきてしまっているとさえ言えるかもしれません。
こどもと接する私たちが、彼女たち/彼らの空想に触れたとき、無情に打ち切ることなく「それ、いいね!」とか「だったら、○○してみたら?」というように、それを継続させたり後押ししたりできたならば、可能性を追うこどもたちがもっと増えてくるように思います。
【もしも…】は、私たちを豊かにしてくれる、本当に大切な考え方です。

たかどのほうこ・作

薦めたい学年:読み聞かせ Level 0
読み聞かせにかかった時間:5分以内


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