自分のみた初夢の話をしたがらなかったことで、奉公していた家の主も、そこを追い出されて戻った実家の父親をも怒らせた九助は、小さな舟で海に流され16日目、なんとオニの巣窟に吸い寄せられ、捕まり食べられることになってしまうのだが、あの世への土産話にと見せてもらったオニたちの秘宝たる三本の不思議な力を持つ棒を奪い取り、島から逃げ出すことに成功した。
“千里をはしる”棒に助けられたどり着いたある村で、“鳥の言葉の分かる”棒によってカラスのうわさ話を耳にした彼は、残る“死んだ者を生き返らせる”棒の力によって、病に倒れたばかりの長者の美しい一人娘を蘇らせ、その家の婿として幸せに暮らすことになったのだが、それこそが実は、九助がみた初夢の内容だったのである。
お正月2日の夜にみる初夢を誰にも話さずいられれば、九助のように、夢が本当のところとなるのだという、むかしむかしのお話。
谷 真介・文
赤坂三好・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2(お正月)
読み聞かせにかかった時間:10分
あけましておめでとうございます
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます
2016年最初の投稿は、シリーズ「行事むかしむかし」から、一月のお話の紹介でした。
元日の夜という説もあるようですが、絵本にあった解説に基づいて書きました。
皆さんが今夜も素晴らしい夢に包まれ、あたたかく寝られますように…
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