読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ごきげんぶくろ

ある日、大喜びで友人みさきの家へと遊びに行ったかなだったが、ゲームをしていて口論になると、怒りにまかせてその場を飛び出し、道に迷ってしまった。
すると、古ぼけた店があり、中へ踏み入った彼女は、そこで出くわした妖しいおばあさん店主に勧められるまま、先ほど胸に溜めこんでしまった不満を不思議な袋に吹き込まされるのだが、それは実は、おばあさんの力の源となっている“不機嫌の中の元気”を貯めておくためのものであり、かなは自分の袋の中に優しい気持ち、実はみさきと仲直りしたい心があることを確認することになる。
店を出て、かなを探していたみさきと出会うと、二人は互いに謝り合うことができ、仲直りして帰っていったが、ふり返っても店はなく、大きく古い柳の木が一本立って、枝を揺らしていただけだった。

上の通り、仲違いをテーマにした作品です。
読書感想文などで扱う際には、自身の仲違いエピソードと一緒に、もしも“ごきげんぶくろ”があったら、どんな不満がたまったか正直に告白するといいでしょう。そして、不満に隠れてどのような素直な気持ちがあったかも想像し、仲直りすることのよさを再確認してもらいたいと思います。

赤羽じゅんこ・文
岡本順・絵

薦めたい学年:1年生終わり~2年生


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