出版社に勤めながら女手ひとつで自分を育ててくれている母と、二人暮らしの生活を送っている小学5年生のしおりは、いとこの美弥子さんが働く市立図書館へ通うのが大好きだが、あるとき、ブックポスト内に水がぶちまけられるということが起こった。
濡れた本、そこにはさまれていたツユクサの花びら、そして、土のにおいの残る水…。
許せないのと哀しいのと複雑な気持ちを抱きながら、しおりはクラスメイトや美弥子さんと事の真相について考えをめぐらせていき、ひとつの答えにたどり着く。
図書タイトルの通り、晴れた日こそ、好きなことを存分にしたいときこそ、図書館という新しい世界への無数の扉へ向かおう!という想いで作者が綴る、図書館を中心としたちょっとしたミステリー5編。
上に紹介したのは第3話「ぬれた本のなぞ」ですが、春休みから夏休みの終わりまでを舞台としたどのお話からも、読後には爽やかな印象が得られますし、こどもたちもまたすぐに、好きな本を探しに図書館へ足を運びたくなるのではないでしょうか。 普段あまり意識することのない図書館の仕事やシステムにも、興味を持つようになるはずです。
教室で貸出すと、周囲と関わり合いながら進む展開に、皆おもしろかったと口を揃えますし、“おすすめ図書”として学校で紹介する子も多い作品です。
緑川聖司・文
宮嶋康子・絵
薦めたい学年:5年生~6年生
紹介図書が200冊目を迎えました。
どれにしようかと迷った結果、ストーリーを終わりまで語ることの許されないミステリーものを選ぶことにはなりましたが、図書紹介のブログに相応しい題名の作品、こころからお薦めの一冊を挙げることができ、満足しています。
本当に世界中からアクセスがあり、そのことも毎日うれしい限りです。 最近はペースを上げて紹介しています。 500冊、1000冊…と目指しながら、児童書や絵本の大好きな方々、いま現在そして近い将来に本をたくさん読んでもらいたい年頃のお子さまを抱えられるお母さま・お父さま方の参考となるべく、記事を積み上げてまいりたいと思います。
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