いつものように狙い通りの魚釣りをし、びくをイワナで満たした三平は、ただ少し帰りが遅くなって、ふもとまでの近道を選び、慣れない山中で迷ってしまったため、明かりを頼りに一件の家へころがり込むと、そこには三平のもつ魚に興味津々な大勢のこどもたちと白髪の老女が一人いたのだが、それが実は、人に化けた猫ばばと、迷い猫だったところをさらわれて彼女に従うようになった子猫たちなのだった。
魚だけでなく自らの命までが奪われようとしていることを以前飼っていたニャンコに教わった三平が逃げ出すと、猫ばばたちも必死の形相で追いかけてきたが、猫ばばの横柄な振舞いに子猫たちが不満気であると察知すると、三平は彼らと協力して、猫ばばを川へ投げ捨てることに成功する。
それからというもの、ニャンコはもちろん、帰るあてなく三平に引き取られた子猫たちは、釣り名人の彼のもとで、いつも満腹、毎日しあわせに暮らしたのだった。
教科書に『モチモチの木』が採用されていることから親しみやすさを覚える子の多い、斎藤隆介・滝平二郎共著の絵本です。
amazon内レビューにもありますが、“健全な怖さ”を小さなこどもたちに味わわせてくれる作品です。 『モチモチの木』は冬のお話ですが、こちらは今の時季に良いのではないでしょうか。 イワナ釣りもシーズンを迎えます。
読み聞かせにかかる10分という時間は他の絵本と比べ多少長めですが、いつもながら版画の黒にも迫力があり、引き込まれたまま終わりを迎えられるでしょう。
斎藤隆介・文
滝平二郎・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:10分
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