読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



水嫌いの魚好き?

たまたま、二日続けて猫のお話の紹介となりました。 特に後の紹介となった『猫山』では、イワナに夢中になる猫たちの姿が描かれていましたが、猫はなぜ、それほどに魚が好きなのでしょう。 どうして、水が嫌いな魚好きというへんてこな存在になったのでしょう。

これについては、先日挙げさせていただいた『猫に関する100問100答』という本の中にも際立った回答を見出すことはできませんでしたが、私の「なぜ、どうして」にもつながりそうな興味深い解説を見つけることはできました(Q35「魚屋ですが、猫を飼っちゃいけないのでしょうか?」)。
要約すると、猫はなぜか魚が大好きだけれども、本来魚を主食としないどころか、陸上の四つ足哺乳類を食べるように身体構造ができており、それゆえ魚ばかり食べることによって必要な栄養分が不足し、神経炎を原因とする様々な病気にかかるとのこと。 それを「オールフィッシュ・シンドローム」と呼ぶそうです。
猫科で唯一魚を主食とするスナドリネコというヤマネコの一種に、指間の水かきなど、水の中へ飛び込んでいって手づかみで魚を捕るための身体的特殊化がみられるのに対して、一般に猫が、泳がないばかりか、水を極度に嫌うこと自体には、魚を主食とするようになっていないことが表れているでしょう。 もし魚が主食なのであれば、ふつうの猫ももっと泳ぎ上手に進化したはずです。

…なんだか、納得ですね。
ただ、今回「読む⇒考える」というラベルの投稿に残したかったのは、猫のことではなく、どんなことでも普段から疑問に思うこと、そして「もしも…」と仮定してみることの大切さです。
いつのまにか当たり前に親しんでいることほど【なぜ?】と立ち止まって考えようとしましょう。そこから、すべての思考が始まります。 そして【もしも…】のお蔭で私たちは現実の世界を飛び越えることができるのですが、同時にその想像の世界から眺めることで気付ける現実もあるでしょう。
これらは、先日の【逆にする】と併せて磨きたい発想力です。


『猫山』
斎藤隆介・文
滝平二郎・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:10分


  

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