たまたま、二日続けて猫のお話の紹介となりました。 特に後の紹介となった『猫山』では、イワナに夢中になる猫たちの姿が描かれていましたが、猫はなぜ、それほどに魚が好きなのでしょう。 どうして、水が嫌いな魚好きというへんてこな存在になったのでしょう。
これについては、先日挙げさせていただいた『猫に関する100問100答』という本の中にも際立った回答を見出すことはできませんでしたが、私の「なぜ、どうして」にもつながりそうな興味深い解説を見つけることはできました(Q35「魚屋ですが、猫を飼っちゃいけないのでしょうか?」)。
要約すると、猫はなぜか魚が大好きだけれども、本来魚を主食としないどころか、陸上の四つ足哺乳類を食べるように身体構造ができており、それゆえ魚ばかり食べることによって必要な栄養分が不足し、神経炎を原因とする様々な病気にかかるとのこと。 それを「オールフィッシュ・シンドローム」と呼ぶそうです。
猫科で唯一魚を主食とするスナドリネコというヤマネコの一種に、指間の水かきなど、水の中へ飛び込んでいって手づかみで魚を捕るための身体的特殊化がみられるのに対して、一般に猫が、泳がないばかりか、水を極度に嫌うこと自体には、魚を主食とするようになっていないことが表れているでしょう。 もし魚が主食なのであれば、ふつうの猫ももっと泳ぎ上手に進化したはずです。
…なんだか、納得ですね。
ただ、今回「読む⇒考える」というラベルの投稿に残したかったのは、猫のことではなく、どんなことでも普段から疑問に思うこと、そして「もしも…」と仮定してみることの大切さです。
いつのまにか当たり前に親しんでいることほど【なぜ?】と立ち止まって考えようとしましょう。そこから、すべての思考が始まります。 そして【もしも…】のお蔭で私たちは現実の世界を飛び越えることができるのですが、同時にその想像の世界から眺めることで気付ける現実もあるでしょう。
これらは、先日の【逆にする】と併せて磨きたい発想力です。
『猫山』
斎藤隆介・文
滝平二郎・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:10分
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