忙しいフォードさん一家の飼いねこシマシマは、ごはんをねだっては無視され、長くねばってようやく食事にありつくという生活を繰り返すうち、待ち続ける毎日に我慢ができなくなり、自ら支度をするようになった。
初めは驚いた一家も、すぐにシマシマを「おりこう」扱いし始め、何でも自分でさせるようにしたが、仕事を覚えながら、一方で人間の遊びも知り始めたことでお金がかかるようになり、ついに自身で生活費を稼ぐため働かざるを得なくなったシマシマは、次第にその忙しさに疲れ、うんざりして、もとの生活に戻ることを決める。
外へ出て、日の当たる場所で居眠りし始めたシマシマを、仲間のねこたちは、「やっとりこうになったね」とでも言うように迎えたのであった。
こどもたちに読み聞かせる私たちが「あぁ猫になりたい」と思うようなお話です。
聞き手のこどもたちにとっては、責任を持って自分の生活をするということがどのように大変なのか、身近な大人以外の言葉として受け取り、考えさせられる機会になるでしょう。4年生以上の子に読み与えてあげたい絵本です。
いつも忙しくされているお母さまお父さま方にも、“ぐぅたら”できる時間がありますように。
ピーター=コリントン・作
いずむらまり・絵
(原題:Clever Cat)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 4
読み聞かせにかかった時間:8分半
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