読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



わたしがふたり

自分の趣味や好みが友人たちと違っているため、なんとなく面白くなく、「すきなものも、話したいことも同じ」そんな自分そっくりの友達を切望していためいのクラスにやってきた転校生まゆは、好きなもの、話したいことの他、雰囲気も態度も姿までも、何から何までめいと同じ女の子だった。
あっという間に仲良くなった二人は、いつも一緒にいるようになってさらに、自分を知るようにお互いを知っていくのだが、あるとき二人して別の子にいじわるな態度を取ってしまったことへの反省と苛立ちから、めいは自分と同じ行動ばかり、似たような発言ばかりのまゆへ、はじめて嫌悪の感情を持つ。
一方で、彼女の悪態もけろりと許してくれた友人の姿を見ながら、自らにない性格を持っている人が身近にいてくれることへの興味と感謝に気がつけためいの目には、もう不思議と、まゆが自分そっくりには見えなくなっていたのだった。

斉藤栄美・文
大島妙子・絵

薦めたい学年:3年生~4年生初


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