自分の趣味や好みが友人たちと違っているため、なんとなく面白くなく、「すきなものも、話したいことも同じ」そんな自分そっくりの友達を切望していためいのクラスにやってきた転校生まゆは、好きなもの、話したいことの他、雰囲気も態度も姿までも、何から何までめいと同じ女の子だった。
あっという間に仲良くなった二人は、いつも一緒にいるようになってさらに、自分を知るようにお互いを知っていくのだが、あるとき二人して別の子にいじわるな態度を取ってしまったことへの反省と苛立ちから、めいは自分と同じ行動ばかり、似たような発言ばかりのまゆへ、はじめて嫌悪の感情を持つ。
一方で、彼女の悪態もけろりと許してくれた友人の姿を見ながら、自らにない性格を持っている人が身近にいてくれることへの興味と感謝に気がつけためいの目には、もう不思議と、まゆが自分そっくりには見えなくなっていたのだった。
斉藤栄美・文
大島妙子・絵
薦めたい学年:3年生~4年生初
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