読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



サルと人と森

ある時、林の中へと足を踏み入れた一人の男性に、高い木の上から一匹の年老いたサルが問いかけたのは、人間が過去を忘れ、謙遜を忘れ、知らず知らず怠慢を目指して生きてきた現在の、その先について。
一方、生活の豊かさに支えられているつもりになって、その指摘の一切を認めることのできなかった人間は、怒りに声を荒げると、とうとうその目障りな存在を撃ち殺してしまおうとするのだが、その時すでにサルの姿はなく、落ちてきた数個のトチの実が、男の頭にポカポカとぶつかっただけだった。
啄木の100年以上も前の先見がしたためられた、いまを生きる寓話である。

石川啄木・著
山本玲子・訳文
鷲見春佳・絵

薦めたい学年:読み聞かせ Level 4
読み聞かせにかかった時間:5分半



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