読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



「どーせ無理」に抗う

かんたんせんせいがペンギンのリゲルくんに伝えた「空を翔ぶ方法」の中でも、私は1番目のものが素晴らしいと思いました。 彼は、海を空だと思って飛んでいることをイメージし、泳いでみせたのです。 つまり、意識の持ち方ひとつで、世界の感じ方が変わると教えたかったのでしょう。
リゲルくんには難しかったようですし、たしかに事実として空を「翔んだ」ことにはなりません。 また、実社会でこれと同じようなことを語ってしまえば、奇異の目にさらされることも想像に難くないのですが、そのように発想を転換するやわらかさは、現実の厳しさを前にした時にこそ、必要なのではないでしょうか。
それが理解できたとき、翔んだのが空なのか海なのかといったことは、問題でなくなるのかもしれません。


さて、今回の図書に関連して、もう一つご紹介したいのは、2014年7月開催の【TED x Sapporo】に参加された、北海道・赤平市の株式会社植松電機、専務取締役・植松努さんによるスピーチです。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、【TED】とはアメリカのカリフォルニア州ロングビーチで年一回大規模な世界的講演会を主催しているグループのことで、彼らが主催する講演会では、学術・エンターテイメント・デザインなど多岐にわたる分野・人物により、プレゼンテーションが行なわれます。 また、運営や人選、設営などにTED本体は関与していないものの、TEDの精神である「ideas worth spreading」 のもと世界各地で発足しているコミュニティー、それが【TED x】です。
植松氏は「どーせ無理」という気持ちをこの世から無くそうとしている、あきらめることを知らない大人です。 ぜひ、リンク先にある講演内容をご視聴ください。 5~6年生以上のお子様がいらっしゃる場合には、一緒にご覧いただけると良いでしょう。 教師が教えられないことを話してくれる、素晴らしい「先生」です。 


『かんたんせんせいとペンギン』
斉藤洋・文
大森裕子・絵
薦めたい学年:1年生~2年生半ば


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