読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ライオンのひみつ

楽しい、悲しい、その他どんな気持ちも感じたことのなかった図書館前の石像ライオンは、立派でも怖い顔をしていたため、どの子もあまりそばに行きたいと思うようなものではなかったのだが、両親を交通事故で失い、まだ赤ん坊の弟と二人きり、その日暮らしをしていた女の子サラだけは、いつもライオンのもとへやってきて涙を流していた。
つめたい雪の降るある晩、彼女はかごの中の弟を抱いて、ライオンの前で倒れてしまったのだが、それを助けたいと強く願ったことで、石のライオンは生身に姿を変え、ほんの短い時間その身に起きた奇跡の中で、彼女を助けることができたのだった。
思う存分走り回ってみることなどはできず石に戻ってしまったライオンではあったが、その日を境に、彼は皆から永く愛される存在となり、そのことに喜びを覚えているようでもあった。

マーガレット=ワイルド・文
リトバ=ボウティラ・絵
木坂涼・訳

薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:7分半


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