読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



歯いしゃのチュー先生

小さな体と器用な手先とで、腕利き歯医者として動物たちの信頼を集めていたチュー先生と奥さんだったが、ネコをはじめ、その身に危険を及ぼすおそれのある動物の診療だけは、どうしてもお断りだった。
そこへ一匹、紳士な装いのキツネが泣きながら虫歯の痛みを訴えてきたため、しぶしぶ診察を受け入れたのだが、治療が進むにつれて完治後のずる賢い食事のことばかりを考えるようになったキツネの腹の内を口の中から見抜いた先生夫婦は、翌日に控えた最終処理を前に、キツネを出し抜く計画を練る。
ここでも小さき者の知恵によって大きな者の力は封じられ、キツネはただただ威厳だけは失わないよう一生懸命、すごすごとその場を退散するばかりだった。

一度すると決めた治療は必ず最後まで請負う。
そんなチュー先生の高いプロ意識に、こどもたちも感じるところがあればいいのですが。

ウィリアム=スタイグ・作
うつみまお・訳

薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:7分半


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