「おいっちに おいっちに」
ボビーに歩き方を教えてくれたのは、おじいちゃんだった。ボビーもおじいちゃんと歩くのが好き。遊ぶのも好き。ひざの上でお話を聞かせてもらうのも好き。そんなおじいちゃん子だった。
ところが、素晴らしい想い出をつくることのできたボビー5才のお誕生日の後で、おじいちゃんは脳の病気になり、身体も動かない、話すこともできない、さらには誰のことも分からない状態になってしまい、それはボビーと数ヵ月ぶりの対面を果たしても変わらなかったため、ボビーは怖ささえ覚えた。
それでも、おじいちゃんの回復を信じる彼が、昔おじいちゃんがしてくれたように向き合い、対話し、遊んでみせたり、おいっちに おいっちに… 一歩一歩の支えになったことで、おじいちゃんは日に日に元気になり、一度崩れた幸せはまた積み上げられ始めたのであった。
本当にゼロまで崩れてしまうものは、そう多くない… そのように思いました。
トミー=デ=パオラ・作
みらいなな・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:7分半
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