腕は良いが店構えが古く、閑古鳥の鳴いている靴屋を主人に持つねこは、あるとき店をたたむことを考え落ち込んでいる主を前に一つの決心をしたのだが、それは自分用に最上等の革靴をこしらえてもらい、それを履いて森の城に住む魔物にセールスをかけるというものだった。
どんな姿にでも化けることのできる魔物から、さまざまな姿に合う、さまざまな靴の注文をとりつけることに成功したかに見えたねこだったが、いざ代金の話を持ち出すと、魔物が大きな獣の姿で脅してきたため、また知恵をしぼり、相手を化かして見事に退治してしまう。
城に移り住んだねこと主人は、立派な靴屋を展開し、その辺りを離れていた人々の活気で溢れるようになっていった。
目を通せないほど多く絵本のある中で、最近では「昔話」が読まれる機会が減っているようです。
読み手の私たちにとっては、「あー、あれね」と感じられる内容でも、こどもたちには新しい出会いであるので、特に名作と呼ばれるものについては読んであげたいものです。
本作も、ご存じ「長靴をはいたねこ」の一篇をリニューアルしたような内容でありますが、やわらかな挿絵が、「知っているつもり」の私たちをも刺激してくれるものと思います。
いまいあやの・作
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分強
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見・ご感想、お待ちしております。