読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



くつやのねこ

腕は良いが店構えが古く、閑古鳥の鳴いている靴屋を主人に持つねこは、あるとき店をたたむことを考え落ち込んでいる主を前に一つの決心をしたのだが、それは自分用に最上等の革靴をこしらえてもらい、それを履いて森の城に住む魔物にセールスをかけるというものだった。
どんな姿にでも化けることのできる魔物から、さまざまな姿に合う、さまざまな靴の注文をとりつけることに成功したかに見えたねこだったが、いざ代金の話を持ち出すと、魔物が大きな獣の姿で脅してきたため、また知恵をしぼり、相手を化かして見事に退治してしまう。
城に移り住んだねこと主人は、立派な靴屋を展開し、その辺りを離れていた人々の活気で溢れるようになっていった。

目を通せないほど多く絵本のある中で、最近では「昔話」が読まれる機会が減っているようです。
読み手の私たちにとっては、「あー、あれね」と感じられる内容でも、こどもたちには新しい出会いであるので、特に名作と呼ばれるものについては読んであげたいものです。
本作も、ご存じ「長靴をはいたねこ」の一篇をリニューアルしたような内容でありますが、やわらかな挿絵が、「知っているつもり」の私たちをも刺激してくれるものと思います。

いまいあやの・作

薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分強


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