ある一本のびんとして生まれ、「最上等のワイン」というラベルを背負うことになった彼は、一組のカップルの婚約を祝うだけで他の誰かの役に立つことをやめるはずであったが、その後も人々の生活の片隅にあって、多くの喜びも哀しみも、ただ重ねるだけの、過ぎていくだけの時間というものも知ることになる。
びんが懐かしい町に戻ってきたあと、変わらぬ記憶を共有しながらも大きく姿を変えて再会した二つのいのちは、互いに気付くことなく、その後もすれ違いを重ねて生きたのだった。
ひとりごとのような想い出と、幸せな誰かがそばにいることの喜びとを抱えながら。
藤城清治・画
アンデルセン・原作
町田仁・訳
薦めたい学年:読み聞かせ Level 4
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