読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



エゾオオカミ物語

たった100年ほど前のこと、北海道の大地に数多く存在していたエゾオオカミたちは、狩りをし、シカを殺して食べていたが、まるでそれが使命であったかのように、それによってシカは数のバランスを保ち、そのことによってまた、シカに食べられる植物も絶妙に豊かさを保持していた。
ところが、ある年の冬、大雪のためにシカが大幅に数を減らすとオオカミたちはエサを求め、アイヌ民を抑えて開拓をはじめていた内地の人々の牧場へ入り込んだので、反撃と反感をかうところとなり、わずかの間に絶滅の時を迎えてしまう。
捕食者を失ったエゾシカは、その後以前よりも数を増し、今では森や畑を荒す厄介者扱いを受けるようになってしまったが、問題の根本、怒りを向けられるべき真の相手に気がつけたところで、オオカミたちの遠吠えは、もう聞かれないのである。

あべ弘士・作

薦めたい学年:読み聞かせ Level 2




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